Web情報によると、HTML5では、フレームは廃止されたそうです。しかし、HTML5 は「2014 年に W3C が勧告としてリリース」(MDN Web Docs 用語集: ウェブ関連用語の定義)したに過ぎないので、正確には、「W3C がフレームを推奨しなくなった」と言うべきです。ブラウザを作っているのは、MicrosoftやGoogle、Apple、Mozilla、Operaであって、W3C が一律にフレームを禁止できるわけではありません(W3C と各社の関係については、W3C、HTML5化、レンダリングエンジンの違い、困った!参照)。 では、「推奨されなくなった」フレームで作ったページはどうなるのかというと、次のように問題なく表示されています(画像をクリッックすると、実際のフレームページが開きます)。「フレームは推奨されなくなった」といっても、フレームを使ったページが表示されなくなるわけではなさそうです(そなことをすれば、フレームを使っている既存のページがすべて閲覧できなくなってしまいます)。 ●フレームはとてもシンプル このフレームページのソースは、次のようにとてもシンプルです。
4つのフレームは、左から順番に、f0、f1、f2、f0と名付けられています。2番目のフレームに「list.html」を表示させ、3番目のフレームに「menu1.html」を表示させてあります。1番目と4番目のフレームには何も表示させないので、画面の左右は空白となります。したがって、ページの横幅は、800ピクセルで固定されます。 後は、「list.html」にリンクさせたいページのリストを作り、リンク先を「f2」にすれば、リンク先のページが次々と、3番目のフレームに表示されます。 このページは、フレームページ「frame.html」と「list.html」「menu1.html」の3つのファイルしかありませんが、立派なホームページです。後は、右欄に入るページを次々に増やし、フレームも縦横に増やして行けば、どんどん複雑になりますが、基本的な仕組みは同じです。 「list.html」のソースも次のようにきわめてシンプルです。
●なぜフレームは廃れたのか こんな便利なフレームですが、それを使ったホームページはどんどん少なくなっています。では、なぜフレームは廃れたのでしょうか。 それは、ネット検索の主流がキーワード検索になったこととも関係しているものと思われます。ディレクトリ検索の場合は、訪問者はトップページから入ってきます。 しかし、キーワード検索では、訪問者は個々のページに直接アクセスしてきます。ところが、フレームの場合、個々のページは単一の部品です。したがって、「フレームがホームページの原点」というキーワードでこのフレームページにアクセスして来た場合、対象となる「menu1.html」は次のように表示されることになります(画像をクリッックすると、実際のページが開きます。ページ幅はしていしていないので全画面表示となります)。これでは、どのようなサイトのページなのか分かりません。 このような不都合を回避するためには(そもそも、検索されなくても良いページならフレームで作っても一向に構いませんが)、個々のページにサイト全体のタイトルを表示してトップページにリンクさせる方法もあります。ただ、すべての訪問者がそれに気付いてくれるとは限りません。 ●「cssで擬似フレーム」?恐ろしく複雑で難解 そこで、「cssで擬似フレームを作る」という手法が登場しました。 「cssで擬似フレーム」というキーワードで検索すると、大量のページがヒットしますが、どのページの記述も恐ろしく複雑で難解です。研鑽を積んでその奥義を習得するという選択もありますが、もっと簡単に作りたいものです。 そこで、いろいろ試してみたところ、(出来はともかく)同じようなものが、割合と簡単に出来ました。次回は、その方法を説明します。 |