この本は、岩波新書新赤版の「シリーズ日本古代史全6巻」の2巻目で、紀元前後の小国分立からヤマト王権に至る約600年を扱っています。 ヤマト王権はかつて大和朝廷と呼ばれていましたが、この時代には天皇という称号はなく中央集権体制も確立していなかったと考えられることから、「朝廷」と呼ぶのは不適切であり、また、支配領域も大和地方を超えて広がっているため、教科書でも「ヤマト王権」「ヤマト政権」という呼び方が一般的となっていますが、産経新聞の読者には不評なようです(「ヤマト政権」は天皇否定の左翼歴史用語)。 目次にもあるように、本書は、漢書地理志、後漢書東夷伝、魏志倭人伝に始まり、「倭の五王」、渡来人の移住、継体新王朝、仏教伝来など、教科書風に網羅した通史となっています。 したがって、手堅くまとめられているが、一般受けする派手さはないともいえます。 |