パソコン / Windows 11
 買い替え需要喚起が目的?
2022/8/6
 Windows11をインストールできるかを確かめるため、PC 正常性チェック アプリを実行すると、次のような結果となりました。
 「詳細情報」をクリックすると、次のように表示されました。

 「WINDOWS11システム要件」は次のようになっています。AMD Ryzen5 1600 はこの条件をクリアしています。
プロセッサ 1GHz以上で2コア以上
メモリ 4GB
ストレージ 64GB以上
ファームウェア UEFI、セキュア ブート対応
TPM バージョン2.0
グラフィックス DirectX12以上 (WDDM2.0 ドライバー)
ディスプレイ 9インチ以上
その他 インターネット接続、Microsoftアカウント 
 Windows 11 でサポートされている AMD プロセッサを見ると、2017年発売のRyzen5 1600 は対象となっていません。2018年以降に発売されたCPUはサポート対象になっていますから、「買って4年以上経ったPCは、もはや時代遅れ」ということでしょうか。Windowsは、OSとしては開発し尽くされ、もはや、付け加えるべき機能は残っていませんから、PCの買い替え需要を喚起するのが、Windows11の目的のように思えてなりません。
 なお、サポート対象外のAMD Ryzen5 1600 でも、Windows11をクリーンインストール出来ました。Microsoftアカウントもインターネット接続も不要でした。

BitLockerは無用の長物
 ところで、windows11では、TPM2.0が装備されていることが要件になっています。TPM2.0モジュールは、次の写真の赤線で囲まれた部品です(NewHail TPM2.0 モジュール TPMSPI 12Pin モジュール(ギガバイトマザーボード用インフィニオンSLB 9670付き))。最近のマザーボードには標準装備されています。

 TPMは、BitLockerを使用するために使います(いまさら聞けない【情シス知識】BitLockerとTPMとは)。
 BitLockerとは、HDDやSSDを暗号化するWindowsの機能です(BitLocker(ビットロッカー)とは?設定方法や解除する手順を知っておこう)。
 Windowsは、初期設定ではパスワードを入力しないと起動できないようになっています。しかし、HDDやSSDを取り外して外付けすれば、パスワードを知らなくても内容を確認することができます。そこで、PCを無くした場合に備え、HDDやSSDを暗号化しておこうというのが、このBitLockerの目的です。
 しかし、BitLockerには、いろいろと問題があります。
 まず、転送速度が遅くなります(BitLocker設定での転送速度低下について)。
 また、トラブルが発生したとき、回復キーを覚えていないと、お手上げとなってしまいます(知らないと“いざ”というときに詰む「BitLocker回復キー」)。さらに、Windowsが起動しなくなったとき、システムディスクを外付けして、データを救済することが出来なくなります。なお、コンピューターウイルス対策としては、BitLockerは、効果はありません。
 そもそも、デスクトップPCの場合は、PCを無くすことはありえないのですから、BitLockerは全くの無用の長物です。

Windows7 と Windows11 が拮抗
 Statcounter Global Stats の統計によると、全世界の Windows の各バージョンの普及率は次のようになっています。Windows10 が7割以上を占め、Windows7 とWindows11 が、12%弱で拮抗しています。

 アジア地域では、Windows7 がWindows11 に大きく差を付けています。

 北アメリカ地域では、逆に、Windows11 がWindows7 に大きく差を付けています。

 日本国内では、Windows11 がWindows7 に大きく差を付けています。

 アメリカ国内でも、同様の傾向です。

 一方、中国国内では、Windows7 がいまだに3割以上を占めています。