録画・録音ファイル / サイエンスZERO
 緊急SP!STAP細胞の謎に迫れ
 2014年3月16日放送 ⇒番組ホームページ

●マスコミ各紙は「偉業」を賞賛 
 今年1月、理研など日米の共同研究チームが、マウスの体細胞を酸性の溶液に浸して刺激を与えることで、あらゆる細胞に変化できる万能細胞を世界で初めて作製することに成功したと発表しました。
 この研究は、30歳の日本人女性をリーダーとし、当初は無視されたものの粘り強く実験を進めたことにより、実証に成功したという話題性が、マスコミの注目を集め、各紙はこぞって「偉業」を賞賛しました(2014/1/31(金) STAP細胞はiPS細胞やES細胞を凌駕するのか)。 
 しかし、その後、論文に、不自然な画像の使用や文章の引用などあることが指摘され、著者らが論文の取り下げを検討していると発表し、一転してマスコミから厳しく指弾される事態となっています(2014/3/15(土) STAP論文疑惑、万能細胞は実在したのか)。
 この問題については、「客観性のある実験で細胞作りが再現されれば、当初の論文の傷を差し引いても科学に貢献したことにはなる」という声もありますが、この番組を見る限りでは、それは相当に困難なようです。

●追試に成功したという報告はない 
 最大の問題は、今のところ追試に成功したという報告はないということのようです。
 実験環境が違えば、必ずしも成功するとは限らないでしょうが、成功例が全く見当たらないというのは、やはり研究の信頼性に疑問が生じます。


●別の実験データからの切り貼り 
 さらに、「TCR再構成」のデータの一部が切り貼りされたのではないかという疑問も出てきました。
 データを見やすくするために切り貼りすることもあるかなとも思いますが、「疑惑」が生じたことは事実です。番組では、そのほかにも「疑惑」を指摘していますが、正直言ってよく分かりません。


●共同研究者からも疑問の声 
 さらに、論文に掲載されたSTAP細胞の画像データが、別の論文のものと全く同じであることが分かり、共同研究者からも疑問の声が上がりました。
 この研究者は、STAP細胞を渡されて実験を行ったが、STAP細胞の作成には関係していないので、それがSTAP細胞かどうか確信が持てないということです。


●多能性細胞はもともとあった? 
 多くの疑問はあるものの、STAP細胞があったという可能性が全くないとはいえません。つまり「客観性のある実験で細胞作りが再現されれば」、「疑惑」は晴れることになります。しかし、追試に成功したという報告が全くないという状況では、それに成功するのは相当困難なように思われます。
 ただ、共同研究者が渡されたのは、多能性細胞だったわけですから、それがSTAP細胞であるかはともかく、実験の過程で生み出されたものであると思われます。いくらなんでも、実験とは全く無関係なところから持ってきたとは考えられませんから。
 とするならば、番組で指摘しているように、「もともとあった多能性細胞が選ばれた」可能性も否定できないように思われます。


●可能性が全くないわけではない 
 シクラメンの茎を切ると、細胞が初期化され、それを培養するとそこからシクラメンが育つという。つまり、STAP細胞ができるというわけです。とするならば、人間でも同じことが起こる可能性が全くないとはいえないようです。
 2014/3/19